『傑力珍怪 in ゆうばり』第二日目!

おお、藤岡君卒業制作展ですか。時間あればお伺いします。

さてさて、『傑力珍怪 in ゆうばり』第二日目!です。
まずは合宿所のバイキング朝ご飯を食べて、猫バスで出発。東京も温かかったけど、ゆうばりも異常なほど温かいとの事。上着の前をはだけて歩いてる人もいるくらいです。でも、バスの窓から見える風景は、やはり雪国ですね。バスに乗って向かったのはアディーレ会館。同室になった方が関わってる作品を見るためです。三回の特設会場(我々の作品も、ここで上映の予定)に行ってみると、ゆうばり映画祭の歴代ポスターが展示されていました。

なるほど、初期の頃はマンガ家さんのイラストも使ってたんですね。寺沢武一さんの『コブラ』、永井豪さんのイラストも華やかです。

さてさて、僕が見たのはフォーラムシアター部門の『 It’s All Good』『カルマ』『放電』の三本。『 It’s All Good』は古い日本家屋でアメリカ人の恋人同士(実は男の方は沖縄の方らしい)が平和に関して論争するという物語。と書くと、なんだか堅そうですけどそんな事も無い。実は近未来SF映画なのでした。監督のノーマンさんは50年代のSFが好きで、日本を舞台にしたSF映画が作りたいとの事。ノーマンさん曰く「日本のSFコミック、SFアニメ、とても偉大です、でも人間の出るSF(実写の事)全然ダメ、キムタクヤマト、間違いです!」いや、受けました。ノーマンさんには『人喰山』DVDをプレゼントしました。『カルマ』も日本在住のカナダ人の方が製作した暗黒街物の力作。もちろん舞台も出演も日本人。『放電』は、まるで浮浪者のような男が「世界は電気で出来ている。おまえには電気が流れているか!? 放電しているか! 」と渋谷の町を訴えて回る不思議な作品。撮影は8ミリと、デジタル一眼のEOS7Dの動画機能。シュールで笑えて、深みのある映像が印象的でした。

三本だてを見終わったら、飯を食う暇も無くホテルシューパロへ。ここではトークセッション「ゆうばりから世界へ」が開かれるのです。出演は昨日知り合ったアレックスさんとジャスパーさん、それに審査員で来られているマークさん。司会は評論家でゆうばりプログラミングディレクターの塩田時敏さん。実はこれこそ、今年一番面白いトークだったのではないでしょうか。まず塩田さんが「それぞれの好きな日本映画や、日本映画とのなれそめを話して下さい」とネタ振り。まずマークさんが「好きな映画は新東宝の『九十九本目の生娘』ですね、新東宝大好きです!」うわ、凄い、僕の『人喰山』は『九十九本目の生娘』が元ネタなんですよ、大感動です。さらにジャスパーさんが「私はピンク映画が好きです『犯された白衣』好きですね、『ウルトラマン』も好きです」との事。アレックスさんは「子供の頃日本のアニメは見てましたけど、中学生の頃深夜にテレビをつけたら『逆噴射家族』やってました、日本、変な国と思いました、大間違いでした」、大受けです。

それから一時間半、延々とディープな日本映画のトークが続きましたが結局三人が口を揃えて言うのは「日本映画だから好きなのではない、日本映画にもつまらない物は多い、でも日本映画は長い歴史と広いジャンルがある、今はもう国境が無くなって来ている、どこの国の映画という事ではなく、普通に面白い映画としてみれる時代になっている」との事。彼らが映画祭を始める以前の80年代までは、やはり小津、黒沢、大島などの有名所や、一部のアート作品しか輸入されなかったそうです。それがビデオブームやケーブルテレビで日本の様々な作品が流れるようになり、見る側の意識が変わって行ったわけです。トークが終了して、僕は早速マークさんに『人喰山』のDVDをお渡ししました。「マークさん、これ『九十九本目の生娘』が元ネタです、見て下さい」するとマークさん「おお、『人喰山』昨年渋谷で見ました!」おおお〜〜、大感動ですよ!それからマークさんと古いアメリカのテレビドラマの事を立ち話。しかし日本題と原題が全然違うので話が伝わらない。しかたないんで、身ぶり手ぶり「ええ〜と、火星人、マーズ、エイリアン、触覚、ピコピコ」「おお、『My Favorite Martian』コメディね!」「日本では『ブラボー火星人』なんですけど」「じゃあこれは、ええと、ライフル、バ〜ン! 石油がドバア〜〜!」「おお、コメディ『THE BEVERLY HILLBILLIES』!」「ははあ、日本じゃ『じゃじゃ馬億万長者』ですけど……」
これですね。

その後ジャスパーさんとも『サンダーバード』や『キャプテンスカーレット』の話、「日本のモノクロテレビアニメ、『アストロボーイ』はドイツ表現主義から色々もらってます」なんて話で盛り上がりました。さてさて、腹減って飯食おうという事で屋台村へ。ここではピリ辛ラーメン食いました。園部さんは『ロックアウト』のポスターを貼ってもらって記念写真。
ちょっと疲れたんで、屋台村への道々撮った「どうでも良い写真」をご覧下さい。

さて、その夜は韓国から来られたオ・ヨンドゥ監督とバスの中で約束した『ネイバーゾンビ』を見に行きました。上映まで時間があったので会場をウロウロしてたら、あら、例の『マリコローズ』監督の小林でびさんにお会いしました。ちょうど『おばけのマリコローズ』第一回目の上映が終わったところでした。お客さんは女性が多かったです。みんな凄く嬉しそうな顔をして、アンケートは5点満点ばかり。受付ガールズとでびさんにポーズをとってもらって記念写真です。
さて、深夜に始まった『ネイバーゾンビ』、これがなかなかの傑作!製作費はたったの200万。6本くらいのオムニバスで、それぞれが10分程度。世界に広がったゾンビ化現象を、その発生から終焉まで時間にそって描いて行くという珍しい形式。さすがに韓国映画だけあって、徹底したエンターテイメントの作りになっていました。ちょうどその日オリンピックのフィギュアスケートの決勝で、通訳の方が「今まで金を応援してました、金メダルもらったのは嬉しいけど、日本人から嫌われてお客さん来ないかも……」「いやいや、そんな事無いです、日本、オリンピック、もり下がってます」こんな励ましする僕もいかがな物か……。でも、ゆうばりに来てる人は絶対オリンピックより『ネイバーゾンビ』の方に興味ありますよね。

で、さっきも書きましたけど『ネイバーゾンビ』は傑作でした。気楽に楽しめて、泣けて笑える、さすがに韓国映画。でも、この後の『ノルウェイノモリ』は時間が遅過ぎて僕も帰ってしまいました、すみません。だって、宿舎まで歩いたら20〜30分かかるんだもん。毎日帰ったら深夜の一時というのがデフォルトでした。最後の写真は『ネイバーゾンビ』の監督さん。またお会いしましょう!
では『ネイバーゾンビ』のHPをご紹介して、二日目はEND。
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