アテネフランセに行ってきました

26日(土)、アテネフランセに行ってきました。「アナクロニズムの会・ロバート・アルドリッチの現代性」という企画で映画を見て講演を聞くというものです。
アテネに到着すると、職場仲間で美学校生の青木君と遭遇。列に並んでしばらくすると、「あー間に合った、いやー、大丈夫かなとおもったんだけど、よかったなー」と大声で言いながら列に並ぶおじさんが現れました。この人、他の映画館でも見かけましたが、いつも一人で何か言ってます。その映画への熱き思い、こちらにもしっかり伝わりました。とはいえ、こちらは常識人なので見ざる聞かざるをきめこみます。すると、後ろに並んだ純朴そうな青年に話しかけてます。「絶対遅刻だとおもったんですよ。でも、まだ始まってないんですよね。いやー、びっくりした」。純朴青年、やさしく受け答えしています。心温まる一瞬でした。
で、映写のトラブルで開演が30分遅れるということで青木君と時間つぶし。それにしてもアテネフランセは缶コーヒーが100円で買えて嬉しい限りです。そして、いざ覆面上映です。作品は「ランサム世界」。アルドリッチの2作目です。字幕はないので、細かいやりとりはよく分かりませんでしたが、不気味で生々しいフィルムノワールをスクリーンで体験できて満足でした。
上映後に、「B級ノワール論」の著者である吉田広明さんの講演がありました。ハリウッドのスタジオシステムが崩壊へと向かう最中に監督になったアルドリッチが、それ以前に映画を撮り始めたリチャード・フライシャーアンソニー・マンらと比較していかに異質であったかを映像を交えて説明し、とても興味深かったです。

比木