『大拳銃』inプチョン国際ファンタスティック映画祭(3日目)


7月21日(火)晴れ
この日は『大拳銃』の上映がありました。そのせいか、早めに起床。
『大拳銃』についてインタビューをしてくれた、デューイ松田さんと合流。デューイさんは去年もプチョンに来られてたという猛者です。一緒に『Missing』という韓国映画を見に行く。
田舎の農家の中年男が、都会からやってきた女性を地下に監禁し非業の限りを尽くす、という映画。これが面白かったです。本当にこんな奴いそうだ、というリアリティーあるキャスティングが素晴らしかったです。人間を人間と思わずに扱う人が出てくる映画って、やっぱり面白いですね。でも、監禁している女性に●●●●●を強要するのは自殺行為だと思うんですが、やってしまうのは男の性ということなんでしょうか……。そういえば前日見た『Macabre』の中でも変態男が、監禁中の女性にディープキスを強要。そして案の定……。しかし『Missing』の変態男は一味違い、女の●をペンチで引っこ抜いてしまうのでした。

観賞後、デューイさんが去年のプチョン映画祭で友達になったというキムさんと偶然遭遇。キムさんも、映画祭会期中、朝から晩まで映画を見続けているという猛者。そのままビビンパ屋さんに連れて行ってもらう。

またしても、安く美味かったです。

続いて、『大拳銃』と同じ上映部門の「Puchon Choice : short 1」を見に行く。計六本。『大拳銃』は「short 2」の枠で後ほど上映されます。
日本語字幕はもちろん無いので、お話は全て理解できたわけではなかったんですけど、僕にはいまいち面白さが分からない作品が多かったです。それなのに……なのに……!

その後、ついに『大拳銃』の上映です。
韓国のお客さんは、どう反応するのかと心配だったんですけど、笑ってくれたり「Wowー!」と西洋風に声に出して反応してくれるのでとても嬉しかったです。それにしても、誰だってそうだと思いますが自分が作った映画が上映されるのは何度経験しても緊張するものです。それも日本以外の場所で上映されるだなんて制作時は思ってもみなかったので、いつもより緊張。

上映後、同じ部門の監督さんたちと、宮川さんと並んで質疑応答。デューイさんに教えていただいた韓国語でご挨拶。通じたのかどうか分からないですけど、なぜか拍手を貰っちゃいました。そして、『大拳銃』について、いくつか質問をいただく。「笑えるような部分があるけど、それは意図してるのか?」「影響された映画は?」「金がかかってないように見えるけど、それはワザとそう見せてるのか?」などなど。もちろん笑ってもらって良いです。でもふざけて作ってるわけじゃないです。などと返答。
ひとつ、とても興味深い質問をしてくれた人がいたんですけどそれはネタバレなっちゃうんで秘密。彼ともっと話してみたかったなー。韓国のお客さんたち、ありがとうございました。
上映には、ゆうばり映画祭プログラマーであり、映画評論家である塩田時敏さんも駆けつけてくれました。それもまた嬉しかった。
で、会場をあとにしようとしたら数名の観客のかたに、なんとサインを求められる。でもサインなんてもちろん日頃書かないので、普通に楷書で書かせていただきました。お恥ずかしい。

会場を出て、宮川さん、塩田さんたちとともにホテルにてパーティーに参加。

ゆうばり映画祭でお会いした『サムライアベンジャー』の監督、光武蔵人さんと、数ヶ月ぶりの再会。一緒に皆で酒を酌み交わす。
パーティーはお開きになり、韓国20年在住の映画ライターである土田真樹さんのご案内で、市内にタコ踊り食いを食べに行く。というか、見に行く。


これが、すごくダシが効いててめちゃくちゃ美味い。やはり酒が入ると手ぶれ激しいですね。皆で撮影大会状態でした。


タコ堪能後、昨日と同じ飲み屋へ移動。『大拳銃』と一緒に上映されていたショートフィルムの監督さんたちと飲む。イギリス人とスペイン人。ホラー映画の話になったので『悪魔のいけにえ』が好きだと言ったら、「あんなグロい映画のドコが良いんだ」という返答。じゃあどんなのが好きなの?と聞くと「Evil of The Dead(死霊のはらわた)」。あー、と何だか納得してしまう。
Kwonさんは再びバクダンを作って回っていたので、さりげなく逃げる。逃げおおせたので翌日は二日酔いを免れる。


つづく

『大拳銃』大畑創