北京リポート12

〜前回のあらすじ〜

ついに『人喰山』上映、会場には小さな子供の姿も。「ヤバいから出てって!」とのスタッフ中山さんの必死のアナウンスも受け流し、中華人民共和国の皆さんはジャパニーズエログロアニメーションを目撃する事となった。はたして無事に上映できるのか?「にいやさんが逮捕されたら面白い」「留置所に差し入れに行くから」「尖閣諸島で船長さんと身柄交換になってテレビ放映希望」等々、散々な事を言われた『人喰山』に、今裁きの時が迫る!



写真は、退出のアナウンスに従わずジャパニーズエログロアニメを見てしまった北京のお子さんとその母親。この上映が日中友好のきっかけになるかもしれません。一応中国政府の検閲に配慮して目隠ししておきました!



と言う事で、これが中国語字幕版。例のシーン、これは分かりやすいですねえ〜〜。



自己的糞尿……『人喰山』見た事無い人、字幕で誤解しないでね。この作品は「女性の自己発見と、自立」「愛と平和」をテーマにしたフェミニズムアニメーションなのです。いや、ほんと。



で、上映終わり。上映中出て行く人も居たけど、ほとんどのお客さんが呆れつつ、楽しんでくれた……と思います。拍手はちょっとおずおずとした感じ。まあそうでしょうねえ。
トークの司会はアニメーション作家の皮三さん。スタイリッシュなフラッシュアニメを作る人です。作品はこちら。



『泡芙小姐的金魚缸』Miss puff‘s goldfish bowl 導演(Director):皮三 SKIN3
現代の中国を舞台に、孤独な都会生活を送る男女の恋物語。背景に実写を使い、アニメーションと見事な融合を見せています。



で、まずは皮三さんの突っ込み。
・Q「あんたの作品は日本で上映できるのか!?」 A「映画祭はゆうばり以外は無理でしょう、ミニシアターなら大丈夫ですよ。大きな劇場では映倫を通らないと上映できません」
・お客さんからQ「日本のアニメーションは残虐すぎないか」 A「むしろ商業アニメーションは規制が強化されて、おとなしい作品が多いです。僕の作品は『かちかちやま』『こぶとりじいさん』といった昔話がベースになっている。昔話はどこの国でも本来は残虐なものです。それに商業ベースで出来ない事をやらないとインディペンデントで製作する意味はありません」
・他のお客さんからQ「登場する鬼(クリーチャー)のデザインなど、宮崎駿監督の作品と似た雰囲気があるが意識しているか」 A「宮崎作品に鬼が出て来た事は無いと思うが、私も宮崎監督も日本人同士だから同じ風土から発想しているのだと思う」などなど。そして〆はやはりこれ。



皮三さん「じゃあ、これでそろそろ」 にいや「待ってくれ、最後に劇中の妖怪の声を実演したい!」
そのとたん会場から割れんばかりの拍手が。北京の皆さんもこういう事は好きなのね〜。で、やりましたバルタン星人「フォオ〜〜フォフォッフォオッ!!!」やった!大受けで上映とトークは終了。「北京でバルタン」の公約は果たしました!



という事で飲み会です!ゆうばりの時もそうだったけど、映画祭での上映って本人が思ってる以上に緊張してるんです。上映が終わったら思ってもみなかったくらいに体が軽くなるんですよ。はい、乾杯!



ここは以前も来た会場近くのレストラン。味が安定していてどぎつくなく、外国のお客さんは喜ぶそうです。チャーハン頼んだのはナスカさんか。「私の夢に見たチャーハン!」と喜んでた記憶が。



食後のデザートにアイスクリーム。これが美味かった。黄色いのはマンゴー味。

さて、今日は北京インディペンデント映画祭「BIFF」の本部でもありレストルームでもある「現象珈琲館」のパノラマ写真を大公開!写真をクリック拡大してご覧ください。