『大拳銃』&『人喰山』クリスマス上映!

『大拳銃』上映のお知らせ
「ちば映画祭」にて、12月26日(日)第3部(3本立て) 
開場16:10 開演16:30 終演18:30
「ポーポロ動物園」(11分)監督ゲスト来場
「大拳銃」(31分)監督ゲスト来場
「電柱小僧の冒険」(47分)

入場料金
前売一般 700円
当日 1,000円
26日通し前売券 2,000円
(通し券は前売のみの発売です)

詳しくは
ちば映画祭

または
chibaeigasai@hotmail.co.jp (ちば映画祭)
lanvin_5@msn.com (ちば映画祭・代表 後藤博茂)
090-2657-6914 (ちば映画祭・代表 後藤博茂)
までお問い合わせください。

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『人喰山』上映のお知らせ
短編映画連作プロジェクト“ドグマ96”を主催されている中川究矢さんの新作『進化』のお披露目上映に合わせて、ドグマ二作品とカップリング上映。
今年海外で上映された英語字幕、新録音版です。どうぞご覧ください!

12月23日(祝)&24日(金)&25日(土)
pm5:00〜

詳しいスケジュールはこちらへ。
http://www.bloc.jp/mac_oto/data/1289973097
12/23~26シネマトレイン上映会ラインナップ | 『ドグマ96』公式ブログ


会場:下北沢駅前東洋百貨店ビル3F
スペースtoyo〔定員70人〕
[東京都世田谷区北沢2丁目25‐8
アクセス:下北沢駅 西口2出口から徒歩二分、東洋百貨店奥のエレベーターより3階へお上がり下さい
www.k-toyo.jp/frame.html

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実は!
12/25には、中国の天津でも『人喰山』が上映されるようです。北京インディペンデント映画祭で会った学生さん達の自主上映会です。詳細は分かりませんが、ありがたい事です。

北京リポート14

最終日前日、とうとう高野君が帰国。せっかくなので、ホテルのソファーでふんぞり返る高野君の写真を。


実は高野君、早朝7時過ぎの飛行機で帰国するのですが、へたすると空港まで送ってくれる車が無いかも。となると帰国チケットも無いまま北京で放浪しなければなりません。あせった高野君は上映後、BIFFの設立記念日パーティーに参加。徹夜で飲んでそのまま空港に行く算段。
「にいやさん、明け方にホテルに荷物取りに行くけど、これでお別れかも」と握手して分かれたんですが。案の定明け方ドアをガチャガチャする音が。毎度の事ながら鍵が開かず、僕がドアを開けると。「ああ、にいやさん、寝てたらそのまま空港に行くつもりで、お別れの手紙を書いてたんですよ」とありがたいお言葉。「お、その手紙ちょうだい、枕元に置いておいて朝起きて読むから」「いや、会えたから今喋りますよ、〜『人喰山』みたいな変な作品見れて良かったです〜」と、これが高野君のお別れのお言葉。ありがとう高野君。お気をつけて。



という事で、以前高野君と一緒に食べたホテルの朝飯もご紹介。濃い味の豆やらザーサイっぽい物やら、味付け卵と中身の無い中華まん。薄いスープ(コーンスープだったか、もう忘れた)。バイキング式です。「たくさん取るな」「無駄にするな」てな張り紙が。



今日は朝の10時から、アニメーション作家のシンポジウムに出席。迎えの車が来ると言う事でホテル前で待ってたけど、全然来ず。先日司会をしてくれた皮三さん他、中国のアニメ作家さんたちがホテルから出て来て身振り手振りで「一緒に飯食って会場に行くか」。ああ、食いたい行きたい、けど迎えの約束があるんで「迎車」「約束」と電子単語帳でお断りして待ってると。あらら、中山さんが眠そうな顔で現れました。「運転手が酔っぱらって寝てるんで、僕が来ました」結局中山さん、昨日の上映が終わって、設立記念パーティーで徹夜して、そのまま迎えに来てくれたそうで。本当にお世話になります。と言う事で、ついに中山さんと一緒に憧れの三輪タクシーに。運転手は良い感じのおばちゃん。




中山さんによると、このあたりは小さな工場が点在するだけの農村だったんですが、10年くらい前から絵描きさんが民家をアトリエに改造して引越して来るようになって。特にこの2〜3年くらいでその数は爆発的に増え、村(実際は市くらいの大きさがある)の中心部には大きな美術館も出来てるのです。結果、人口が増えたんでこういう商売(三輪タクシーや道ばたの美術本売りなど)も成り立つようになったそうで。三輪タクシー、ほとんど自転車並みの速度でトコトコ。「このおばちゃんも、二年くらい前までは農業やってたはずですよ」「しかし、この三輪タクシーボロボロですね、10年くらい前の物ですかね」「いや、二年くらい前に買った物でしょう」「し、しかし、それがなぜこんなにボロボロに……」と口にした私の脳裏に、あのホテルの四階廃墟がフラッシュするのでした。




と言う事で、会場に行く前にBIFF本部に寄り道。ここは有名な美術評論家さんのお宅を改造した物らしいです。だからこういう現代美術彫刻(?)が飾ってあるんですね。番犬のシェパードが異常なほどに人懐っこいです。初対面の僕にすり寄って来て離れません。「これじゃ全然番犬の役を果たしてませんね〜」と中山さん。




用事を終えて本部から出ると、さっきの番犬がハンガーを加えて悠々と。本当に何の役にもたってません。




実際この日に食べた朝食はこれ。「現象珈琲館」でおかゆにザーサイ、黒糖っぽいあんこの中華まん。ザーサイかなり味が濃いけど、おかゆに入れたら絶品でした。




先日お見せした「現象珈琲館」の本棚のアップ。いやはや……。




会場について、早速アニメーション作家のシンポジウムに参加。と言っても、僕は中山さんに要点を聞かせてもらって聞くだけ。ヘッドセットの同時通訳があれば良いんだけど。皮三さんはじめ、中年のアニメーション作家達が「作品が売れなければ意味が無い」「世の中にアピールできなければ、社会は変わらない」「やっぱりストーリーは重要だよな」と話してます。黙って聞いてた若い二人組が「でも、僕たちは純粋な芸術を目指したい」と言って、ちょっと論戦。別に相容れない事とも思えないんだけど、中年作家の方々は「自分の作品で国を変えねば」という使命感が強いんですね。




中年作家の一人に、中国の芸大の先生がおられました。「我々の頃は海外作品の影響も受けてたけど、それは短編実験アニメ(今で言うアートアニメ)の影響を受けてたんだ」「でも、今の学生は日本のテレビアニメやジブリの影響を受けて、その手法で短編アニメを作ろうとする」「中国の生活を描く作品でも日本の風俗で描かれるのは困る」「キャラが日本の学生服を着てるんだぜ」等々。シンポジウムが終わって、その方と立ち話。「商業アニメの影響が強いのは、日本でも同じです」。しかし、これはインタビューでも話した事なんですが、「三十歳、四十歳と年を取ると、自分でも思ってもいなかった自分の深層が出て来る物です。それは忘れかけてた昔話や、子供の頃の思い出。自分が生まれ育った国の集合的無意識のような物。作家は必ず自分の故郷へ帰って行く物です。表面的な物まねなんか、あまり気にしなくても良いと思いますよ」。

……と話し終わって中庭に出たら、さっきの若い作家二人組。中山さんに聞いたら、なんと、僕が今回最も感心した『西湖醋魚』『冬至』『芒種』の二人組ではありませんか!「あなた達の作品は素晴らしい、これからも自分たちの道を進んで下さい」とハグして来ました。いやあ、二人とも若いけど素晴らしい作家です。会えて良かった。




シンポジウムが終わった時、なぜか髭だらけのモンゴルのドキュメンタリー作家の方が「飯をおごってやる」と言い出しました。もちろんご相伴にあずかります。行ったのは例の会場近くのレストラン。監督さんのお名前は「骨」と同じ発音、だそうです。中国語は読めるけど発音できないのが困ります。この人はそれが分かってて、こういう説明をしてくれるんですね。




この日飲んだビールは、凄くさっぱりしたライト系。まるでソーダ水のような感じで、ご飯のお供には最適でした。



これは魚料理。雷魚だったか。



おなじみのトマト卵炒め。ここのは上品でいい味です。



豆ご飯。僕は写真を撮ろうとして服をひっかけてひっくり返してしまいました。もったいない。



これは瓜の煮物だったか。



羊の肉。



豚の角煮。日本で食べるのと変わらず。「骨」さんがおっしゃるには「俺がお前に昼飯をおごってやろうと思った理由は、日中関係が悪化してるから、少数民族内モンゴル出身の俺が民間の友好を計ろうと思ったからだ」だそうで。この方、山形ドキュメンタリーにも作品を出品された事もあるそうです。




この日観た作品をご紹介。これは『我們離瘋人院究竟有多遠(Are we really so far from a madhouse?)』という作品。導演(Director):李紅旗 Li Hongqi
何も予備知識無しで観たんですが、もの凄く変な作品でした。まず病院の中らしき所で、松葉杖をついた男が登場。病室で同室の人たちと話してるんだけど、そこに被さる音がなんと動物園の音。「ギャーギャー」「グエッグエッ」「ウオオ〜〜ッ」と様々な動物音が続きます。シーンが変わるとホテルの部屋、若い男連中がゴロゴロしたり飯食ったり、ここも動物音。さらにシーンが変わると彼らがギターを弾いて歌ってます。ここで動物音からもの凄いノイズにシフトして行きます。もう耐えられない!というところでシーンが変わり、彼らが乗った車が走り出し、そこに突然カッコいいロックがガンガン鳴り出します。画面下には歌詞の字幕が流れます。なんだか感動的。
実はこれはPK14という中国のロックバンドのツアーの記録映画なんですね。さらに別のツアー場所に着いて、また動物音。移動でまた演奏と歌と字幕。これが延々90分近く続きます。こんなの始めて。凄く気持ちよかったです。





『刺痛我(Piercing I)』片長(Length):74 min 導演(Director):劉健Liu Jian
これが今回の映画祭のトリ。一人で作った長編アニメーションです。もちろん動きまくってるタイプではなく、口パクアニメですけど。見た所、写真をフォトショップで線画に加工し背景とし、その上にやはり人物の写真をデフォルメしたキャラを乗せてる感じ。初期の大友克洋に近い感じの乾いた皮肉なストーリー。職を失った若者が、暗黒街の大物をハメて一儲けしようと企む話。『傷だらけの天使』っぽいかも。僕は台詞が分からないんでイマイチ理解できなかったですけど、場内は大爆笑の連続。日本でも上映されるかもしれませんから、その時はよろしく。




ついに映画祭も終わり。閉会式です。ベルギーから来てたお婆さんが「ベルギーチョコよ!」とチョコレートを配ってくれました。これがメチャクチャ美味しい。




役員のご挨拶が終わったら、前衛ジャズバンド(?)の演奏。しかし、これが徐々にもの凄いノイズミュージックに変わって行きます。もう話声も聞こえないくらい。会場が振動してます。たまりかねて、みんな出て行きました。耳元に口をつけて大声で話してるのは我々日本チームだけ。




突然話しかけて来た中国の大学生。この子がまた凄いオタク。しかし僕もナスカさんもチーちゃんも、オタクではないのでよく分からん。さらに、話すアニメタイトルが中国語なもんで……。




話が伝わらないので、オタク少年はノートパソコンを借りて来ました。彼が話してた作品は『涼宮ハルヒ』と判明。いかん! ノートパソコンの灯りで、またしてもナスカ姫の正体が露に……。




と言う事で、本当に映画祭は終わり。代表の方と肩を組んで記念写真。でも、僕はこの方の名前も知らないのです。だって、中国の人(西洋の方もだけど)全然名刺くれないんだもん。


と言う事で、明日は昼過ぎに空港に出発。北京リポートも次回が最終回です。お楽しみに。