『人喰山』英語字幕、新録音版上映!

さて皆さん。とうとう師走となりました、『人喰山』(恐らく)今年最後の上映となります。
短編映画連作プロジェクト“ドグマ96”を主催されている中川究矢さんの新作『進化』のお披露目上映に合わせて、ドグマ二作品とカップリング上映。
今年海外で上映された英語字幕、新録音版です。どうぞご覧ください!

12月23日(祝)&24日(金)&25日(土)
pm5:00〜
『ドグマ・デジタル・ヒストリカ+1』
ドグマ96とは、中川究矢と川連廣明による映画更正プロジェクトである。混迷した邦画界を挑発するシネアストたちの妙技の饗宴!
そして、幻想奇譚アニメ「灰土警部の事件簿 人喰山」で、肛門からはらわたを裏がえされる悦楽に身悶えよ!
ドグマ96制作VOL-5「ぱんいち夫婦(仮)」監督/寺内康太郎 25分/2010
ドグマ96制作VOL-4「凸凹」監督/川連廣明 16分/2010
「1101」監督/中川究矢 34分/2009
「灰土警部の事件簿 人喰山」監督/にいやなおゆき 28分/2008

詳しいスケジュールはこちらへ。
http://www.bloc.jp/mac_oto/data/1289973097
12/23~26シネマトレイン上映会ラインナップ | 『ドグマ96』公式ブログ



会場:下北沢駅前東洋百貨店ビル3F
スペースtoyo〔定員70人〕
[東京都世田谷区北沢2丁目25‐8
アクセス:下北沢駅 西口2出口から徒歩二分、東洋百貨店奥のエレベーターより3階へお上がり下さい
www.k-toyo.jp/frame.html

北京リポート11

さて、やっとこさ『人喰山』上映日です。まずは朝起きて見たテレビ。


これは中国の子供番組。やっぱり着ぐるみなんですね。ネズミお姉さんが貫禄あります。



会場に着くと猫のお出迎え。これまた貫禄あります。午前中は第二会場で中国アニメの上映。



これは中国のバッタ。第二会場の入り口で撮影。ふんぞり返って貫禄あります。




ここは映画祭開催直前に準備された会場らしいです。コンクリートの打ちっぱなしで、パイプ椅子があるだけですけど、上映状態はとても良かったです。お客さんの入りに合わせて椅子の数も増やせますし、なかなか良い会場です。今日はここで中国のアニメーション上映があるのです。上映された作品はどれも面白かったんですが、全部ご紹介できないのでナスカさんのブログも併せてお読みください。
http://blog.goo.ne.jp/nasukax/e/9d9692b12bd61fd1460a27e8cd399885
こちらはナスカさんが書いてない物を中心にご紹介します。



さて、最初の作品はこれ『I WANNA BE』金浩釩 Jin Haofan
一分半くらいの短い作品。窓の中に様々な光景が浮かぶ抽象的なアニメーション。小品だけど、とてもレベルの高い作品でした。


そして、この三本。

『西湖醋魚』 West Lake Fish 陳曦 安旭 Chen Xi An Xu


冬至』 The Winter Solstice 陳曦 安旭 Chen Xi An Xu


芒種』 A Clockwork Cock 陳曦 安旭 Chen Xi An Xu
これは特筆もの!これらを作ったのは 陳曦さんと安旭さんという大学院生。まるで藤子不二雄のような二人組。手法としてはフラッシュを使った切り紙アニメ的な物。動きのセンスはノルシュテイン並みと思います。
カートゥーン的な『西湖醋魚』 、古いハリウッド映画のような『冬至』 、少年の淡い初恋と大人の世界を対比させた『芒種』 。どれも見事な完成度を持っていますが、特に『芒種』は今回僕が最も感心した作品の一つです。単純にストーリーを見せるのではなく、少年の心の変化をアニメーションならではの抽象的手法で表現していて、大変に深みのある作品に仕上がっています。

『鄢色咒語』 Coal Spell 孫遜 Sun Xun
『人民共和動物園』 People’s Republic of Zoo 孫遜 Sun Xun
この二作もご紹介しようと思ったんですが、どうやらサイトから記事が削られてるようです。中国政府に対して、かなり強烈な風刺をした作品でしたからね。手書きの荒々しい作品でした。いわば作者の自国に対する心象風景とでも言える作品かも知れません。



と言う事で、第二会場の中国アニメ上映は終わり。一方我らが若手イケメンホープの高野君は中山さんからインタビューを受けています。高野君のテーマは「映画における風景の重さ」変わりゆく中国の風景に、彼はいたく感銘を受けたようです。



壁に書いてあるのはゲストの寄せ書き。「もっと過激に、もっと自由を」ってのは『ゆきゆきて、神軍原一男さんです。



『エレミの恋』中田秀人
さて、やっとこさ我々日本のアニメーション作品の上映です。トップバッターは中田秀人さんの『エレミの恋』。8年もかかって丁寧に作られた人形アニメ。これは一種の異種婚譚でしょうか。長老の木造電柱爺さんの生々しい台詞が印象的でした。詳しくはこちらへ。もうすぐ神奈川で上映会があるようですよ。
http://park11.wakwak.com/~sovat/e_j_common/roadshow/elemi_roadshow.html



『火消し屋』山崎猛
お次は山崎猛さんの『火消し屋』。これは今年のゆうばり映画祭でも上映されました。日本のテレビアニメ黄金時代から活躍されている山崎さんならではのアニメートが魅力。ああ、こういう動き、子供の頃から見てたよなあ〜〜、と感慨もひとしお。なぜなら、はい、山崎さんのプロフィールです。http://www.lixianting.org/entry/234



『音』原田浩

『妖精浮遊』原田浩
ううむ、当たり前だがナスカさんの記事と被りまくり。でもナスカさんは遠慮して画像使わなかったけど、僕は使わせてもらってます。すみません&よろしく、皆さん。
と言う事で、傑力ゲストでおなじみ原田浩さんの登場。と言っても今回は小品二本、両方とも実験作品。『音』はアニメーション作画で「音」を表現しています。『妖精浮遊』は光の乱舞。原田さんは『二度と目覚めぬ』のテレビアニメ的な手法が有名ですが、実は実験映画やアングラ演劇にも詳しいオールラウウンドプレーヤー。こういう手法が、現在製作中の新作アニメーションにフィードバックされて行くのかもしれません。



ついに『人喰山』の上映です。会場は徐々に人数が増えてほぼ満員(この写真はトーク中の写真なんでお客さん減ってますけど)。中山さんのアナウンスが響きます「この作品はヤバいので、小さいお子さんをお連れの方は即座に退場して下さい」でも、誰も出て行かず。良いのかなあ〜〜……。

と言う事で、ヤバい上映報告は次回に続く。